ウィッグは脱毛症や抗がん剤治療による薄毛カバーの目的で使用する人から、おしゃれ目的で様々なヘアスタイルを楽しみたいと言う人まで、近年では非常に幅広い使用用途で愛用されています。
そして頻繁にウィッグを着用する人であれば、ヘアスタイルの為に使用する整髪料や自分の汗などでウィッグが傷んでしまうことは非常に気になるところでしょう。一方で、ウィッグは持っているけど、そこまで使用頻度が高いわけではないといった方にとっても、部屋に置いているだけでホコリやゴミが付着してしまい、ウィッグが汚れてしまっているなんてことは珍しくありません。したがって、ウィッグという物は、日々のお手入れとしてシャンプーやリンスが欠かせないものなのです。
しかし、一言にウィッグと言ってもその素材は様々で、素材によってシャンプーやリンスの注意点は異なります。そこで、ここでは、ウィッグのシャンプーやリンスの正しい知識をご紹介していきたいと思います。
そもそもウィッグにシャンプーなどは必要なのか
ウィッグは手軽にヘアスタイルやヘアカラーを変える事が出来るアイテムなので、近年の若者の間ではおしゃれ感覚に複数のウィッグを所持している人は多いです。しかし、ウィッグ愛用者の中でも「ウィッグのお手入れが面倒くさくて…本当に必要なの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
ウィッグを日常利用しているといった状況では、もちろん整髪料や香水などをウィッグ使用するといった事も多いでしょう。その場合、ウィッグには整髪料などの成分が付着してしまい、そのまま汚れた状態で放置してしまうと、汚れが落ちにくくなったり、汚れによる劣化が進行してウィッグの艶がなくなりボサボサになってしまうといった事になるのです。
上記の様な劣化したウィッグをそのまま使用してしまうと、やはり傍から見ると不自然に見えますし、ウィッグを着用しているとすぐにバレてしまうといった事になりかねません。また、衛生的にも問題がありますので、気に入っているウィッグであれば、地毛を扱うつもりでしっかりとお手入れをして、長持ちさせましょう。
ウィッグに以下の様な症状が見える場合にはお手入れのサインと言えるのでしっかりとメンテナンスを行いましょう。
- ウィッグの毛が所々で絡んでいる
- ウィッグのツヤが落ち、痛みが目立つ
- 着用時に整髪料を多用している
上記の様な状態で何もお手入れをしないとなると、すぐにウィッグがダメになってしまいます。目安として、ほぼ毎日ウィッグを使用しているといった方であれば、1週間程度に1度のタイミング等でシャンプーをしてあげると良いでしょう。このタイミングが難しい所が、頻繁にシャンプーをしすぎると、逆にウィッグの毛を痛めてしまう場合があるので注意が必要です。
素材別ウィッグを洗う時の注意点
まずウィッグをシャンプーする時に共通で注意しなければいけない事をご紹介しましょう。それは、いきなり水に濡らさない事です。ウィッグはシャンプー前に準備としてブラッシングをして、毛の絡みや逆毛を直したり、表面についている汚れを落とす事がとても大切です。正直、シャンプー前にこれをするのとしないのとでは、シャンプー後のウィッグの仕上がりに大きな違いが出るので必ず行いましょう。ブラッシングは、言うまでもなく無理に引っ張ったり、乱雑にブラシをかけてしまうと抜毛や切れ毛の原因となるので、優しくしてください。
尚、人工毛ウィッグの場合は、ブラッシング時に静電気を発生しやすいので、静電気防止用のスプレーを利用したり、金属製の専用ブラシを利用しましょう。
それでは以下で素材ごとのシャンプーについてご紹介していきます。メーカーによっては専用のウィッグシャンプーを推奨していたりする場合がありますが、そういった場合は指示に従うのが長持ちさせるコツです。
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■人毛ウィッグのシャンプー
人毛ウィッグとは、その名前の通り本物の人の毛を利用して作られたウィッグです。人毛ウィッグのメリットは、本物の毛を利用しているため、着用時に非常に自然な仕上がりになる事でしょう。
- 洗う時の注意点
人毛ウィッグのシャンプーは40℃程度のお湯を貼り、お湯の中で髪の流れに沿って優しくブラッシングするように洗いましょう。注意点はこの『お湯の中で』という点で、お湯の外でブラッシングしてしまうと傷んでしまう場合が多いです。人毛ウィッグは、本物の毛ですので、専用のシャンプーなどを使用しなくても構いませんが、石油成分が含まれてないシャンプーを使用するようにしましょう。中性アミノ酸系のシャンプー・リンスを利用すると人毛のキューティクルを壊さないのでオススメです。 - すすぐ時の注意点
新しいお湯に替え、優しく押し洗いするようにすすいでいきましょう。毛の痛みが目立つようであれば、トリートメントをお湯に溶かし、数分そのお湯につけてから十分にすすぎましょう。 - 乾かす時の注意点
乾かすときは、吸水性の高いタオルでしっかりと水分を吸い取ってください。その後、ウィッグスタンド等でスタイルを整えてから、そのまま自然乾燥させます。クセや跳ねが残っていた場合、地毛に寝癖がつくように癖がつきやすいため、十分にクセの対応を行いましょう。
■人工毛ウィッグのシャンプー
人工毛ウィッグは、化学繊維(ファイバー)を素材としたウィッグの事で、お手入れが比較的楽というメリットがあります。また、価格帯も幅広く用意されているので、選択肢が多いと言うのもメリットです。
- 洗う時の注意点
人工毛の場合は、大き目のたらい等にぬるま湯を張り、そこにシャンプーを足してかき混ぜたところにウィッグを入れて洗いましょう。洗い方は、毛先から優しくとかしながら押し洗いしてください。もみ洗いやブラシ洗いをしてしまうと毛が絡む場合が多いので、手でとくように洗いましょう。尚、人工毛ウィッグは、専用のウィッグシャンプーを用意しておくことがベストです。 - すすぐ時の注意点
新しいお湯を用意し、人毛ウィッグと同じく優しく押し洗いするようにすすいでください。毛の痛みが目立つようであれば、トリートメントをお湯に溶かし、数分そのお湯につけてから十分にすすぎましょう。トリートメントは、柔軟剤を利用することにより静電気を抑える事も出来ます。 - 乾かす時の注意点
人毛ウィッグと同様にタオルで水分を吸い取り、自然乾燥させましょう。人工毛ウィッグはファイバーですので、高温に弱くドライヤーの使用などはお勧めできません。ただし、耐熱ファイバーと書かれているものは、ドライヤーで乾かしても問題ありません。乾いた後は、ウィッグスタンドに置いて、オイルスプレーなどで髪を梳かしておけば静電気の対策などになります。
■ミックスウィッグのシャンプー
ミックスウィッグは、人毛と人工毛(ファイバー)を一定割合で混合したウィッグです。このミックスウィッグは、人毛ウィッグよりもお手入れが楽、人工毛より自然に着用できると言うメリットがあります。しかし、逆に言えば人毛より不自然で、人工毛よりもお手入れは手間がかかると中途半端なイメージも持たれています。
- 洗う時の注意点
ぬるま湯にウィッグ専用シャンプーを混ぜ、その中でミックスウィッグをやさしく押し洗いするように洗いましょう。 - すすぐ時の注意点
すすぎも上述の二つと同様、お湯を変えぬるま湯で十分にすすぎましょう。その後、ウィッグ専用のトリートメント剤を混ぜたぬるま湯の中に30分程度漬け置きすることで、地毛になじみやすいウィッグを実現できます。 - 乾かす時の注意点
吸水性の高いタオルを利用して、毛をやさしく挟むようにポンポンと当てながら吸水しましょう。その後、ウィッグスタンド上でスタイルを整え、自然乾燥させてください。ドライヤーを利用する場合は、冷風を利用して乾かすと良いでしょう。
まとめ
今回は、ウィッグのお手入れとして最も重要と言っていい、ウィッグのシャンプーについてご紹介しました。皆様も地毛の場合であれば、毎日お風呂に入りシャンプー・リンスを欠かさないのではないでしょうか?これはウィッグも同様で、自然な状態で長く利用しようと思えば、しっかりとしたお手入れをしてあげる事が必要不可欠になるのです。
また、ウィッグには上述のように使用されている素材が異なる物があり、それぞれのメリット・デメリットは異なります。もちろん、お手入れに関する注意点も異なってきますので、正しい知識の下ウィッグのお手入れを頑張りましょう。