インナーキャップとは?
医療用ウィッグを使用されている方の中には「インナーキャップ」の存在をご存知の方も多いかと思います。
この「インナーキャップ」とはどういうものかといえば、ウィッグを装着する前に被る薄手のキャップで、スイミングキャップのようなものと言えます。
では、なぜ必要なのか?今回はウィッグのかぶり方のポイントとなるインナーキャップについて紹介します。
インナーキャップは必要?
「インナーキャップの必要性」は大きく分けて二つあります。
一番の役目は『地肌・頭皮を守るため』です。医療用ウィッグを装着されている方の中には、何らかの原因で髪の毛が抜けている方も多く、地肌や頭皮が晒されている場合があります。そういう方の頭に直接ウィッグを装着すると地肌や頭皮を痛めてしまいかねませんので、インナーキャップを被ります。
そのため、縫い目は外側を向いており、チクチク感をなくす工夫をしています。
二つめは、『地肌を隠すため』です。インナーキャップを被らなかった場合、ウィッグの隙間から地肌が見えてしまうこともありえます。
肌の色が見え過ぎてしまうと、ウィッグを被っていることが周囲に分かってしまうため、見た目を考えています。インナーキャップのほとんどは黒色で作られているのもそういった意味があるのです。
被り方とちょっとした工夫
インナーキャップを正しく被らないと、その上に被るウィッグがズレてきてしまいます。
まず、第一は「深くしっかり」被りましょう。浅く被るとウィッグがズレてきてしまいます。
また、キャップは「ご自身の頭の大きさにピッタリするものを選んで」ください。大きなものはもちろんズレの原因になりますが、ズレるのが怖いとご自身の頭の大きさよりも少し小さいものを選ばれる方もいらっしゃいます。
しかし、それは一方で頭を締め付け、頭痛の原因にもなってしまうため長時間の着用には向いていません。そうなると、なかなか「インナーキャップを被ろう」という気にもならないでしょう。
中にはフリーサイズのキャップもありますが、サイズの展開やアジャスターの有無などを確認して、ご自身にピッタリのキャップを選んでください。
また、正しく被っているのにインナーキャップとウィッグがズレてきてしまうという方向けに、「マジックテープ」という一工夫をしてみましょう。
インナーキャップとウィッグにマジックテープを縫い付けることで、インナーキャップとウイッグがズレる心配はなくなるでしょう。
また、インナーキャップを購入される場合、通気性や吸汗性、素材、抗菌・消臭、伸縮性などもチェックしてご自身に合ったキャップを選んでください。
被らなかったらどうなる?
それでもインナーキャップを被るのが面倒という方もいらっしゃいます。特に暑い日はキャップで熱がこもるのではないかとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
現在のインナーキャップは素材が大きく進化し、熱がこもりにくい、汗を感じるとひんやりするような冷感仕様になっているものも多くあります。また、地肌・頭皮を守るために天然素材で作られているキャップもありますので、肌の弱い方などにも対応しています。
むしろ、キャップを被らなければ、直射日光を頭皮が浴びることにもなりかねませんので、インナーキャップはしっかりと身に着けていきましょう。