人間の髪の毛を使用した人毛ウィッグでも、合成繊維を使用した人工毛ウィッグでも、ウィッグの毛をセルフカットすることが可能です。前髪の長さを少し調整する、ウィッグを大胆にカットして髪型を大きく変更するなど、ヘアスタイルを変えられます。
しかし、ウィッグをカットする場合にはどのような道具が必要なのか、どのような手順でカットすれば良いのか、不安を抱く人もいるでしょう。ウィッグは人間の髪の毛とは異なり、カットした後に伸びることはないため、失敗できません。そこで、ウィッグのカットに必要な道具、カットの手順やコツについて紹介します。
ウィッグを自分でカットする際に準備すべき道具
ウィッグを自宅でカットする場合には、必要な道具をあらかじめ準備しておくことが大切です。道具を手元に準備しておくことで、ウィッグをカットし始めてから焦ることなく、スムーズにカットできます。
専用ブラシ
ウィッグをカットする前には、必ず毛の流れを整える必要があります。ウィッグ専用のブラシであれば静電気を防止できるため、ウィッグの毛の流れを整えられるだけではなく、ウィッグの傷みを予防することが可能です。
特に、合成繊維でできた人工毛ウィッグの場合、人間の髪の毛に使用するブラシで梳かすと静電気が発生するため、金属製のブラシを使用しましょう。
すきバサミや散髪バサミ
ウィッグをカットする際には、ウィッグ専用のハサミを使用することが望ましいです。しかし、ウィッグ専用のハサミを持っていない場合には、人間の髪の毛をカットする際に使用する、散発バサミやすきバサミを準備しましょう。
文房具のハサミを使用すると毛先がきれいに揃ってしまい、毛束ができるため不自然に見えてしまいます。そのため、髪をカットするスキルがない人でも簡単に自然なヘアスタイルに仕上がる、すきバサミを使用すること方法が有効です。
ヘアクリップ
ウィッグをカットする場合、前髪やサイドなどカットしない部分はヘアクリップで挟む必要があります。また、少しずつウィッグをカットするためにも、ブロッキングできるようヘアクリップを用意しておくと良いでしょう。
霧吹き
ウィッグをカットする際には、ウィッグが乾燥した状態でカットします。しかし、全体にボリュームがありカットしにくい場合には、ウィッグに水分を含ませるとウィッグがボリュームダウンし、カットしやすくなるでしょう。念のために、霧吹きに水を入れて準備しておくことがポイントです。
新聞紙や大きめのチラシ
カットしたウィッグの毛を掃除しやすいように、新聞紙や大きめのチラシを敷いたうえでカットすることが大切です。特に、カーペットや畳の上でカットすると、掃除をするのに非常に時間がかかります。ウィッグのカットに集中するためにも、新聞紙やチラシを広げておくことが大切です。
ウィッグスタンド
ウィッグスタンドは、ウィッグの前髪部分だけではなくサイドや後ろの毛をカットしたいときに使用します。前髪であれば自分がウィッグをかぶった状態でカットできますが、サイドや後ろの毛は自分がウィッグをかぶった状態ではカットできないため、ウィッグスタンドにかけなければなりません。
ウィッグをカットする手順
実際にウィッグをカットする際の手順と、コツを紹介します。
ウィッグをカットする前のチェックポイント
ウィッグをカットする前に、カットする場所の床に新聞紙もしくは大きめのチラシを敷いておきましょう。
前髪のみをカットする場合には、ビニール袋に穴を開けてかぶる、もしくはケープを着用します。前髪以外もカットする場合にはウィッグスタンドにウィッグを乗せ、ウィッグ専用のブラシで毛の流れを整えましょう。
カットする部分の毛をおろし、カットする部分の毛以外をピンで留めることもポイントです。前髪をカットする場合には鏡を見ながらカットするため、大きめの鏡を準備しておくと良いでしょう。
カットする部分を指で挟んで持ち上げる
カットする部分は、指で軽く挟んで持ち上げてカットします。ただし、前髪は持ち上げすぎると短くカットされてしまうため注意が必要です。ハサミを斜めもしくは縦方向に入れると、毛先が整いすぎず自然に仕上がるでしょう。
なお、全体の毛の長さを調整したい場合には散髪バサミ、ボリュームを減らしたい場合にはすきバサミを使用することがポイントです。いずれのハサミを使用する場合も、ハサミを斜めまたは縦に入れ、少しずつカットしましょう。
カットするたびに髪の毛をおろし、ブラシで梳かして長さをチェックすることが重要です。時間はかかりますが、こまめに確認することによって失敗を予防できます。
すきバサミを使用する場合には、ボリュームを減らしたい箇所の長さの半分から毛先に向かって、少しずつずらしながらカットすることが大切です。毛の根元の部分にハサミを入れないように十分注意しましょう。
ウィッグのカット方法によってハサミを使い分けよう
ウィッグをカットすることで、イメージチェンジできます。どの程度ウィッグをカットしたいのかによって、すきバサミ、散発バサミなどをはじめ、ウィッグスタンドや鏡のサイズなど、道具を使い分けることがポイントです。
「自分でカットすると失敗するのでは」と不安を抱く人も多いですが、しっかりとした準備をしたうえで、ウィッグのセルフカットにチャレンジしてみても良いでしょう。