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ウィッグは昔から美の最先端!ウィッグの成り立ちを学んでみよう

2022年9月21日
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ウィッグは昔から美の最先端!ウィッグの成り立ちを学んでみよう

最近ではおしゃれ目的に普段使いするウィッグや抗がん剤治療による脱毛や円形脱毛症の治療時に利用する医療用ウィッグ等、『ウィッグ』と聞いたら、ほとんどの人がどのようなものかイメージがつくメジャーな物となっていますよね。
しかし、「ウィッグはいつの時代からあるのか?」「何を目的に作られたのか?」等の、ウィッグの歴史がどういったものか知っている方は少ないのではないでしょうか?日本国内でも少し前までは『かつら』と呼ばれていたように、実はウィッグにも長い歴史という物が存在します。

そこで今回は、ウィッグの歴史や成り立ちについてみていきたいと思います。

ウィッグはいつからあるの?

まず、一番気になるところである「ウィッグがいつの時代からあるのか?」についてみていきましょう。
今では皆さんも何の疑問も持たずに使う『ウィッグ』という言葉ですが、これは『西洋かつら』を表す英語で、1675年ごろからあると言われています。こう言われると確かに古いものだけど、思ったよりも新しい物だと感じませんか?
しかし、『ウィッグ』という言葉は1675年ごろにできたものですが、ウィッグ(かつら)自体の歴史はもっともっと前にさかのぼります。
この先では、ウィッグという言葉ができる前の「ウィッグのようなもの」の歴史をご紹介します。

最古のウィッグはフランス婦人像

もっとも古くウィッグが使用されたと言われているのは、約38,000年前(B.C.36,000)にさかのぼるといわれています。当時制作されたであろうフランスのランド地方ブラッサンプイで見つかった婦人像が「ウィッグのようなもの」をつけていたため、これが現在のウィッグ(かつら)の起源だと言われています。ただし、こちらは最古のものですが、その時代に実用化されていたのかは定かではありません。
それでは、実際に「ウィッグのようなもの」が実用化されたのはいつからなのかについて迫ってみましょう!

実用化したのは約6000年前!?

「ウィッグのようなもの」が、実質的に使われ始めたのは約6,000年前(B.C.4,000)、古代メソポタミア、オベイドか〜ウル期にかけてではないかと考えられています。
その根拠となるのが、シュブ・アドという当時の女王が、環や桑の葉、花飾りのある櫛などで飾りつけた「ウィッグのようなもの」を使用したという資料です。さらに、古代メソポタミアでは、約5,000年前(B.C.3,000)につくられた王の墓より、男性用のウィッグやウィッグスタンドも出土しているそうで、最低でも当時の王侯貴族の間では実用化されていた証となります。

その後、大きく時代が進みますが13世紀末になると、フランスでウィッグ師という職業ができ、14世紀末には組織化され同業組合というものができました。さらに15世紀になると、イタリアで毛髪や絹糸のウィッグがつくられるようになりました。フランスの貴族の肖像画や音楽室に飾られていた昔の音楽家の肖像画を思い出してみてください。それらに描かれている人物を見てみると、髪をとても盛っていたのを思い出しませんか?
実は肖像画で盛られている髪の毛は、ほとんどウィッグなのです。このころになると完全にウィッグがおしゃれや美のための道具として広く認識されるようになりました。

日本でのウィッグの起源は?

世界の動向から見ると少し遅れますが、日本でもウィッグの歴史は意外と古いです。昔の日本では、髪飾りとして菖蒲など草花を使用する文化がありました。万葉集にもかつらを詠んだ歌がいくつかあり、日蔭鬘(ひかげかづら)などのつるくさのかつらや、楮(こうぞ)の皮で作った裂(きれ)を巻く木綿鬘(ゆうかづら)、枝葉のかつらである榊鬘(さかきかづら)や柳、花、稲、玉鬘(たまかづら)などがありました。
これらは、基本的に頭部の飾りとして使用されていたといわれており「おしゃれの一環」だったそうです。今でいうおしゃれウィッグのさきがけのようなものですね!

日本国内でかつらが実用的に使われるようになったのは、もう少し先の事となり、それは江戸時代のことになります。江戸時代になると伝統芸能でもある『能』や『歌舞伎』などで現代と同じような用途でかつらが使用されるようになり、徐々に一般の方の間にも浸透していき、現在ではおしゃれや医療用途など様々なシーンで活躍しています。

まとめ

今回は、あまり注目されることもなく、良くわからないウィッグ(かつら)の歴史についてご紹介してまいりました。いかがでしたか?
ウィッグの歴史はとても古く、約38,000年前には存在していたと言う事実は非常に驚きですね。また、昔から最先端のおしゃれとして使われていたと知ると、様々な方向にファッションが進化した現代で、これだけウィッグが普及している事は納得できるのではないでしょうか?今も昔も『美』というのは多くの方の最大のテーマになっているのですね。

もちろん、日本でも歌舞伎などの伝統芸能をはじめ、様々な場面にウィッグが使用されており、ウィッグの進化に一肌脱いでいます。ウィッグの歴史を知ると今後ウィッグを使用するときに少し違った見方ができて面白いかもしれませんね。